メタトロン Metatron    七人の大天使

もっとも偉大なる天使

 彼はメトラトン(Metratton)、ミトロン(Mittron)、メタラオン(Metaraon)の他、『タルムード』では七十二の別名を持つという。“天使の王”、“小YHWH”、“契約の天使”、などの称号を持つ。神の代理人との称号も持ち、大天使長のミカエルをしのぐ天使とも言われる。

 小YHWH:ユダヤ教徒は神の名前をそのまま口にするのをつつしんで避け、神の名前を示すというYHWHを“神聖四文字”として、これに任意の母音をつけて神の名を呼んでいる。「アドナイ」、「エホヴァ」、「ヤーヴェ」などと発音されれている。
 神の名を直接口にしないのは神聖なものに対するタブーである同時に、名前そのものにも霊質を認めているためである。日本でも古くは言葉には魂が宿り、それ自身が力を持つとされる言霊(ことだま)の概念があった。
 契約の天使:旧・新聖書のとは契のことである。この契約とは神と人間との間に取り交わされる契約である。

エノク=メタトロン?

『エノク書』の中で、エノクは天界の旅の最後に神の面前に立ちそこでエノクは三十六万五千個の燃える目と三十六枚の翼を持つ天使に生まれ変わった。『創世記』でもエノクはその高潔な人格が認められ、彼は天界に連れてこられ天使の体に変容された。これがメタトロンであると言われている。マルコム・ゴドウィンによれば、エノクがメタトロンであるとすれば八千五百歳、天使の中ではもっとも年若ということになるそうだ(通常他の天使は宇宙の創造の前後に創られているので)。  エノクは神から真実の記録者、最大の書記者として選ばれている。メタトロンになってからも天界の記録係としての役目を負っている。イスラエルの行動の善悪全ても記録しているという。

『出エジプト記』のメタトロン

 イスラエル民衆を引き連れてエジプトを出たモーセの前に「炎の柱」となって現れる。またメタトロンは天使の中でももっとも長身であるという。




 戻る


ジョン・ロナー 天使の辞典−バビロニアから現代まで 鏡リュウジ・宇佐和通訳 東京・柏書房  1994.
真野隆也 天使 東京・新紀元社 1995.
マルコム・ゴドウィン 天使の世界 大瀧啓裕訳 東京・青土社 1993.
ローズマリ・エレン・グィリー 図説天使と精霊の事典 大出健訳 東京・原書房 1998.
フレッド・ゲティングス オカルトの辞典 松田幸雄訳 東京・青土社 1993.