愛のキューピッドの間違い Cupido
クリスマスカードや装飾画等によく見られる小さな羽をぱたつかせるころころとした赤子の天使。天使でイメージされる姿の代表と言ってもいいこの天使像、彼らは一般に愛を運ぶキューピッドとして知られている。しかし、このキューピッドとは本当は天使ではない。
キューピッド(Cupido「欲望」)はローマ神話の神様、ギリシアでは愛の神エロスとして知られている、キリスト教とは関係のない神様なのである。
赤子の天使は通常、智天使(cherubs)がそうであるとされ、キューピッドが弓と矢を持っている以外はあまり見分けはつかない。ただ、絵画の主題から、ギリシア・ローマ神話に関連したものなら当然それはキューピッドであるし、キリスト教、聖書の主題に関連したものなら智天使と断定できる。
エロス(キューピッド)は、紀元前五世紀の頃から美の神アフロディーテ(ヴィーナス)の子として結びつけられる傾向が多くなり、もとは青年に近い姿をしていたものが、次第に幼い少年、童子の姿へと変えられていき、今日の姿へと変わった。
智恵の天使であるケルビムは成長しつつある子供を具現するという。また、天の存在に子供の魂が近いことは明るいブルーに象徴化され、その色はケルビムの光力を象徴するものでもある。キリスト教絵画におけるケルビムは顔と翼だけの存在として描かれることもある。
さらに智天使を厳密に分けるなら、子供の天使にはプット(putti)という名称がつけられている。本来の、エデンの東の園の守護者としてかかげられた力強い智天使(cherubim)と混同しないために。