偽ディオニュシオス Pseudo-Dionysius
西暦500年頃のこと、中東にディオニュシオスと名乗る著述家が現れ、聖書の様々の天使の話を調べ始めた。こうして集めた資料から彼は熾天使を最高位とする天使の九階級を作り上げた。彼の作品にもディオニュシオスという署名が残されている。
ディオニュシオスという人物は聖書の『使徒言行録』にも登場する。古代のキリスト教徒たちは彼をこのディオニュシオスと同一人物と考えた。ところが、後世になってディオニュシオスの著作が、『使徒言行録』のディオニュシオスのいた時代よりも何世紀も後だということが証明されたのだ。それまで誰もこの二人のディオニュシオスが同一人物と信じて疑わなかったのである。
こうしたことから、前者のディオニュシオスを学者らは偽ディオニュシオスと呼んでいる。しかし偽ディオニュシオスの天使の位階は、キリスト教国では今ももっとも支持を得ている説である。